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特集 小児臨床検査2024
Ⅳ.血液凝固・線溶系検査
1.血液凝固・線溶・抗凝固検査 4)第Ⅷ因子,第Ⅸ因子,von Willebrand因子,その他の凝固因子
Factor Ⅷ, Factor Ⅸ, von Willebrand factor, and other clotting factors
武山 雅博
1
Masahiro Takeyama
1
1国立病院機構大阪医療センタ―血友病科
キーワード:
凝固因子
,
血友病
,
von Willebrand病
Keyword:
凝固因子
,
血友病
,
von Willebrand病
pp.96-99
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001889
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1 検査の意義と適応
出血傾向のスクリーニング検査として行ったプロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)(表1)で,PT正常・APTT延長の場合に,血友病の確定診断のために第Ⅷ因子(FⅧ)・第Ⅸ因子(FⅨ)活性の測定が適応となる。von Willebrand因子(von Willebrand factor:VWF)の検査にはVWFの血小板膜糖蛋白(glycoprotein Ⅰb:GP Ⅰb)への結合能をみるVWFリストセチンコファクター活性(VWF:RCo)と,抗原量を測定するVWF抗原(VWF:Ag)がある。FⅧの活性低下を認めた場合は,VWF:RCoを測定し異常がなければ血友病Aと診断する。FⅨの活性低値を認めた場合は,血友病Bと診断する。von Willebrand病(von Willebrand disease:VWD)ではVWF:RCoの低値を認める。VWFは血中でFⅧの安定化に寄与しているため,VWDにおいてもFⅧの活性低下が認められることがある。VWF:AgはVWDの病型診断の際に用いられる。VWFマルチマー解析は,VWDの病型分類のために行われる。VWFの質的異常や消費の異常によりマルチマーパターンが異常をきたし,病型ごとに特徴的なパターンを示す1)。
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