特集 小児で経験する「血液の異常」-血液疾患の鑑別とトピックス
各論:血小板・凝固系の異常 血友病・von Willebrand病
長江 千愛
1
1聖マリアンナ医科大学 小児科
キーワード:
血友病B
,
von Willebrand病
,
遺伝学的治療
,
血友病A
,
Emicizumab
,
Vonicog Alfa
Keyword:
von Willebrand Diseases
,
Hemophilia A
,
Genetic Therapy
,
Hemophilia B
,
Emicizumab
pp.1120-1125
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021295264
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<Key Points>(1)血友病Aではインヒビターの有無にかかわらずエミシズマブでの出血抑制が可能となった。皮下注射製剤であり、インヒビターを誘導せず、血中半減期が約4~5週と長い特徴を有する。(2)エミシズマブの止血能はFVIII等価活性で15%相当と推測されており、出血症状が悪化したり、出血リスクが高いことが想定される場合にはFVIII製剤の補充が望ましい。(3)血友病の遺伝子治療はAAVベクターを用いた複数のヒト臨床試験が進行しているが、中和抗体陽性患者に適応がないこと、小児に適応がないことなどが課題である。(4)2020年から18歳以上のVWD患者における出血傾向の抑制目的でFVIIIを含有しない遺伝子組み換えヒトVWF製剤のボニコグアルファが使用可能となった。出血時には必要に応じてFVIII製剤を併用する。
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