特集 2020年代の内科診療―26テーマの近未来予想
血液内科
[出血・血栓性疾患]
血友病に凝固因子製剤は不要になるか
-非凝固因子製剤と遺伝子治療への期待
宮川 義隆
1
1埼玉医科大学病院総合診療内科(血液)
キーワード:
血友病
,
半減期延長型製剤
,
非凝固因子製剤
,
RNAi
,
遺伝子治療
Keyword:
血友病
,
半減期延長型製剤
,
非凝固因子製剤
,
RNAi
,
遺伝子治療
pp.1205-1208
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_1205
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Summary
▪血友病は生まれつき凝固因子が足りないため,出血が止まりにくい病気である.国内には血友病A患者は約5,000人,血友病B患者は約1,000人いる.
▪血友病の重症型の基本治療は凝固因子製剤の定期補充療法(静注)である.
▪近年,血友病Aに対して皮下注射が可能な抗体医薬emicizumabが実用化された.
▪血友病Bとインヒビターを有する血友病患者に対して,凝固抑制因子を阻害する新薬の開発が進められている.
▪血友病に対する遺伝子治療の開発は,複数の国際共同第Ⅲ相試験が進められ,早ければ2022年以降に欧米での承認が期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2021