特集 日常診療で先天代謝異常症を見逃さないために
4.尿素サイクル異常症
城戸 淳
1
1熊本大学大学院生命科学研究部小児科学講座
キーワード:
アミノ酸
,
アルギニン
,
異化亢進
,
嘔吐
,
高アンモニア血症
,
タンパク制限
Keyword:
アミノ酸
,
アルギニン
,
異化亢進
,
嘔吐
,
高アンモニア血症
,
タンパク制限
pp.1378-1386
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001476
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尿素サイクル異常症は,高アンモニア血症により脳に障害をきたす疾患である.発症頻度は,約5万名に1名と考えられており,一般小児科医であっても生涯で何回か診療する機会のある疾患である.尿素サイクル異常症の新生児発症は,重症型であり,専門施設での血液透析治療により救命でき,肝移植治療の適応である.遅発発症は,乳児から成人発症まであり,重症症例から比較的軽症な症例まで幅がある.症状は,主に高アンモニア血症に起因する症状であるので,高アンモニア血症を鑑別する必要がある際には,尿素サイクル異常症を鑑別に入れる必要がある.尿素サイクル異常症が疑われた際には,糖輸液を行い,可能ならばアルギニン注射を行いながら,専門医または専門施設に相談することが望ましい.
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