特集 日常診療で先天代謝異常症を見逃さないために
3.脂肪酸代謝異常症
湯浅 光織
1
,
重松 陽介
1
1福井大学医学部病態制御医学講座小児科学
キーワード:
新生児マススクリーニング
,
偽陰性
,
アシルカルニチン分析
,
低血糖
,
横紋筋融解症
Keyword:
新生児マススクリーニング
,
偽陰性
,
アシルカルニチン分析
,
低血糖
,
横紋筋融解症
pp.1371-1377
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001475
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脂肪酸代謝異常症は,脂肪酸からのエネルギー産生にかかわる酵素の先天性機能障害に起因する疾患群であり,乳幼児期に飢餓や感染を契機として急性脳症や突然死をきたしたり,幼児期以降に横紋筋融解を反復したりする.5疾患が新生児マススクリーニングの一次対象疾患となっており,乳児型は発症前に診断されることが多い.新生児型(重症型)はスクリーニング実施前に発症し,骨格筋型(軽症型)はスクリーニング偽陰性となることがある.日常診療では,スクリーニングで発見されない症例(新生児型・偽陰性例・一次対象疾患以外の疾患)を正確に診断することが重要であり,本稿ではこのための留意点と検査の実際を紹介する.
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