綜説
尿素サイクル異常症の新知見
松本 志郎
1
,
野田 裕介
1
,
服部 裕介
1
,
阿南 浩太郎
1
,
城戸 淳
1
,
三渕 浩
2
,
中村 公俊
1
1熊本大学生命科学研究部小児科学講座
2熊本大学病院新生児医学寄付講座
キーワード:
尿素サイクル
,
アンモニア
,
グルタミン
,
mTOR
,
オートファジー
Keyword:
尿素サイクル
,
アンモニア
,
グルタミン
,
mTOR
,
オートファジー
pp.888-895
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002253
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タンパク質をエネルギーとして利用(代謝)する際には,アミノ基の脱アミノ化によりアンモニアが発生する.アンモニアは,生体(脳)にとって有毒であり,ただちに解毒する必要がある.この解毒システムが尿素サイクルとよばれる.このような尿素サイクルが先天的に破綻した患者では,急激な高アンモニア血症により,しばしば重篤な状態となり救命困難な場合もある.このような高アンモニア血症に起因した生態機能の障害に関する病態については,オートファジー機能による制御など新しい知見が蓄積されつつある.本稿では,尿素サイクル異常症に関する研究で明らかになってきた新しい知識およびわれわれの研究室データを含めて報告する.
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