特集 小児神経難病の臨床
3.結節性硬化症
金田 眞理
1
1大阪大学大学院医学研究科皮膚科
キーワード:
結節性硬化症
,
メカニスティック/マンマリアンターゲットオブラパマイシンコンプレックス1
,
mTORC1
,
シロリムス/ラパマイシン
,
TSC1,TSC2遺伝子
Keyword:
結節性硬化症
,
メカニスティック/マンマリアンターゲットオブラパマイシンコンプレックス1
,
mTORC1
,
シロリムス/ラパマイシン
,
TSC1,TSC2遺伝子
pp.913-921
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000918
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結節性硬化症(TSC)は,TSC1,TSC2遺伝子の異常の結果,それぞれの遺伝子産物hamartinとtuberinに異常を生じ,下流のmTORC1が恒常的に活性化するために起こる常染色体優性遺伝性の疾患である.mTORC1はS6Kの促進を介した細胞の増殖や,ULK1の抑制によるオートファジーの抑制などさまざまな作用を有しているため,本症では全身の過誤腫と同時にてんかん,TSC関連神経精神症状(TSC associated neuropsychiatric disorder:TAND)とよばれる精神神経症状や白斑を生じる.前述した症状は人生のさまざまな時期に出現し,程度の違いも著しい.遺伝子型と表現型の関連,病態,さらに全身に及ぶ多様な症状を解説すると同時にmTORC1阻害薬による治療などについても説明する.
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