特集 小児神経難病の臨床
2.ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群(MELAS)
後藤 雄一
1
1国立精神・神経医療研究センター メディカル・ゲノムセンター
キーワード:
ミトコンドリア病
,
3243変異
,
ヘテロプラスミー
,
タウリン修飾
Keyword:
ミトコンドリア病
,
3243変異
,
ヘテロプラスミー
,
タウリン修飾
pp.907-911
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000916
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MELASは脳卒中様症状を特徴とするミトコンドリア病の一病型で,多くはmtDNAのロイシン転移RNA内の点変異が原因である.mtDNAのヘテロプラスミーによってMELASの症状は多彩であり,治療にはまだ標準的なものはない.最頻の3243変異により,転移RNAのタウリン修飾障害が起きることでミトコンドリア内の翻訳不全が起きエネルギー代謝が障害される.タウリンの大量治療で脳卒中発作を抑制できることが臨床試験で確認され保険適用となった.
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