特集 小児神経難病の臨床
4.脊髄小脳変性症
佐々木 征行
1
,
水澤 英洋
2
1国立精神・神経医療研究センター病院小児神経診療部
2国立精神・神経医療研究センター
キーワード:
小脳性運動失調症
,
トリプレットリピート病
,
表現促進現象
,
孤発性小脳失調症
,
遺伝子診断
Keyword:
小脳性運動失調症
,
トリプレットリピート病
,
表現促進現象
,
孤発性小脳失調症
,
遺伝子診断
pp.923-932
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000919
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小児期に発症する脊髄小脳変性症について概説した.小児期に小脳性運動失調症状を呈する疾患は多数知られており,まずは治療可能な疾患を鑑別することが重要である.家族歴のある優性(顕性)遺伝性疾患の診断は比較的難しくない一方,孤発例では確定診断が難しい.次世代シークエンサーの普及に伴い孤発例のなかからも遺伝子異常が多数見出されつつある.根本治療はまだ難しいが,原因を確定し,予後を予測するうえで遺伝子診断は重要である.近い将来には,遺伝子レベルあるいは分子レベルでの画期的治療法が開発される可能性が高い.患者と家族が運動訓練などを継続しながら希望をもって日常生活を送れるように,常に励まし寄り添う姿勢が臨床家には大切である.
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