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特集 骨折治療の現在地を知る!
Ⅴ.高齢者・脆弱性骨折
上腕骨近位端骨折に対するリバース型人工肩関節全置換術(RSA)の適応と手術手技
Indications and surgical techniques for reverse total shoulder arthroplasty(RSA)for proximal humerus fractures
塚田 圭輔
1
Keisuke TSUKADA
1
1帝京大学医学部,整形外科学講座
キーワード:
Three-part and four-part proximal humerus fracture
,
Reverse shoulder arthroplasty
,
Indications and surgical techniques
Keyword:
Three-part and four-part proximal humerus fracture
,
Reverse shoulder arthroplasty
,
Indications and surgical techniques
pp.597-608
発行日 2024年4月30日
Published Date 2024/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002972
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高齢者における上腕骨近位端骨折はその重症度によっては上肢の機能に大きく影響するため,適切な治療法の選択が極めて重要である。特に骨脆弱性を伴うNeer分類3-part/4-part骨折は,従来の骨接合術や人工骨頭置換術では骨片の転位や結節の癒合不全が生じやすく,機能回復が不十分であった。しかし,2014年におけるリバース型人工肩関節全置換術(RSA)の本邦導入以降,骨脆弱性を伴う3-part/4-part骨折に対して適用されるようになり,さらに本邦よりも早い時期から導入された欧米においては,経年的に症例が蓄積された結果,その臨床成績を明らかにした報告が行われるようになった。それらによると3-part/4-part骨折に対するRSAは,従来の骨接合術や人工骨頭挿入術と比較して術後の可動域拡大や臨床スコアの向上が期待でき,現在では最も有効な手術法と認識されている。上腕骨近位端骨折に対して安全かつ効果的なRSAを実施するためには,術前計画,アプローチ方法,機種選択,感染対策,展開,セメントテクニック,大小結節部の再建など多岐にわたる要点があり,それらを十分把握して手術に臨むことが必須である。
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