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特集 骨折治療の現在地を知る!
Ⅴ.高齢者・脆弱性骨折
成人や高齢者の上腕骨遠位部骨折に対する治療
Surgical treatment for distal humerus fractures in adult and elderly
寺浦 英俊
1
,
谷浦 圭
1
,
上野 健太郎
1
,
山本 耕平
1
,
大平 千夏
1
,
西浦 伶
1
Hidetoshi TERAURA
1
1東住吉森本病院,整形外科
キーワード:
Distal humerus fractures
,
Double plating
,
Locking plate
Keyword:
Distal humerus fractures
,
Double plating
,
Locking plate
pp.609-616
発行日 2024年4月30日
Published Date 2024/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002973
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上腕骨遠位部骨折の治療成績向上には解剖学的整復位の獲得,強固な固定,早期可動域訓練が必要である。高齢者に多い通顆骨折は関節包内骨折であり,骨折部の接触面積が小さいため骨癒合には不利である。当科では両側ダブルプレート固定を施行している。内側プレート設置に伴う尺骨神経障害は9~19%の頻度で生じるが,予防は神経に対する愛護的操作に尽きる。ルーペ装着の上マイクロ攝子を使用し,筋鉤やテープなどで牽引せず無理なく前方移動できるように剝離し,骨接合後にプレートと接触しないよう脂肪弁で被覆する。高エネルギー損傷によるAO/OTA分類C型関節内骨折は,術前にX線・CTで骨折型を詳細に評価し固定方法を検討する。インプラントはロッキングプレート,HCSTM,ミニプレート,Kirschner鋼線などを駆使する。肘頭骨切り併用・後方アプローチで上腕骨後面を展開すれば,粉砕が著しくても一つひとつ骨片をパズルのように合わせていくことで整復位が得られる。
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