臨床講義
全身性強皮症
茂木 精一郎
1
Sei-ichiro MOTEGI
1
1群馬大学大学院医学系研究科,皮膚科学,教授
キーワード:
全身性強皮症
,
皮膚硬化
,
自己抗体
,
末梢血管障害
,
指尖部潰瘍
Keyword:
全身性強皮症
,
皮膚硬化
,
自己抗体
,
末梢血管障害
,
指尖部潰瘍
pp.1211-1225
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003381
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全身性強皮症(systemic sclerosis,以下SSc)は,皮膚および内臓の組織線維化,血管障害,免疫異常(自己抗体産生など)を特徴とする全身性疾患である。これら3つの病態が複雑に関連し,さまざまな症状を呈する1)。組織の線維化によって,皮膚硬化,肺線維症,嚥下障害,逆流性食道炎,消化管運動障害などを呈し,血管障害によって,Raynaud現象,後爪郭部の毛細血管拡張・蛇行や爪上皮出血,指尖部陥凹性瘢痕,指尖部皮膚潰瘍などを生じる。肺高血圧症(pulmonary hypertension,以下PH)や腎クリーゼもその病態形成に線維化と血管病変が関連する。抗トポイソメラーゼⅠ抗体,抗セントロメア抗体,抗RNAポリメラーゼⅢ抗体などの特徴的な自己抗体が陽性となり,診断や症状の予測に役立つ。
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