Japanese
English
症例
免疫組織化学的所見が確定診断に有用であった乳頭状腎細胞癌皮膚転移
Skin Metastasis of Papillary Renal Cell Carcinoma Diagnosed by Using Immunohistochemical Studies
遠藤 未希
1
,
松浦 大輔
1
,
小野江 明日香
1
,
藤川 一穂
1
,
絹川 典子
2
,
川田 望
3
,
照井 正
4
,
落合 豊子
1
Miki ENDO
1
,
Daisuke MATSUURA
1
,
Asuka ONOE
1
,
Itsuho FUJIKAWA
1
,
Noriko KINUKAWA
2
,
Nozomu KAWATA
3
,
Tadashi TERUI
4
,
Toyoko OCHIAI
1
1日本大学病院,皮膚科
2同,病理診断科
3同,泌尿器科
4日本大学医学部,皮膚科(主任:照井 正教授)
キーワード:
乳頭状腎細胞癌,転移性皮膚癌,免疫組織化学染色,PAX8
Keyword:
乳頭状腎細胞癌,転移性皮膚癌,免疫組織化学染色,PAX8
pp.1786-1790
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001045
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63歳,男性。免疫組織化学的検索により診断し得た乳頭状腎細胞癌の皮膚転移例である。初診時,後頭部に4×3cm大,扁平台状に隆起する環状で弾性硬の淡紅色腫瘤がみられた。病理組織所見では,真皮浅層から皮下組織にかけて核の大小不同や分裂像を有し,好酸性の豊富な細胞質をもつ腫瘍細胞が孤立性あるいは胞巣を形成して増殖し,それらの細胞は表皮真皮境界部にも浸潤していた。腫瘍細胞はPAX8,CD10,vimentin,CK7陽性で,自験例を腎細胞癌の皮膚転移と診断した。自験例は,腎細胞癌の既往があるも,頭部腫瘤は特徴的な腎細胞癌の皮膚転移の臨床像を示さず,病理組織でも皮膚原発腫瘍との鑑別が問題となった。しかし免疫染色を施行し,腎細胞癌皮膚転移と診断し得た。パネル化した抗体の組み合わせによる免疫染色は,転移性腎細胞癌の組織診断に有用である。
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