Japanese
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特集 ウイルス感染症
水痘・帯状疱疹ウイルスによる汎発疹が先行した髄膜炎・尿閉症候群の1例
Meningitis-Retention Syndrome Occurring After Generalized Herpes Zoster
尾本 百香
1
,
松浦 大輔
1
,
藤川 一穂
1
,
小野江 明日香
1
,
半田 梓
1
,
落合 豊子
1
,
小川 克彦
2
,
鈴木 裕
2
,
照井 正
3
Momoka OMOTO
1
,
Daisuke MATSUURA
1
,
Itsuho FUJIKAWA
1
,
Asuka ONOE
1
,
Azusa HANDA
1
,
Toyoko OCHIAI
1
,
Katsuhiko OGAWA
2
,
Yutaka SUZUKI
2
,
Tadashi TERUI
3
1日本大学病院,皮膚科(主任:照井 正教授)
2同,内科
3日本大学医学部附属板橋病院,皮膚科,教授
キーワード:
髄膜炎・尿閉症候群
,
水痘・帯状疱疹ウイルス
,
尿閉
,
無菌性髄膜炎
Keyword:
髄膜炎・尿閉症候群
,
水痘・帯状疱疹ウイルス
,
尿閉
,
無菌性髄膜炎
pp.457-461
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000658
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77歳,男性。5日前から顔面と体幹に皮疹が出現し,次第に全身に水疱と膿疱が拡大した。初診時,亜昏迷状態を呈し便秘を伴っていた。血中水痘・帯状疱疹ウイルス(以下VZV)IgM陰性,IgG陽性。膿疱の蛍光抗体法でVZV抗原陽性。VZVによる汎発疹と考えアシクロビル投与を開始したが,その後尿閉が出現し,神経因性膀胱を認めた。髄液検査で細胞数が上昇し,PCR法でVZV-DNA陽性。VZVによる髄膜炎・尿閉症候群と診断し,ステロイドパルス療法を併せて行い諸症状は軽快,予後は良好であった。S3~S4の仙髄後根神経節に潜伏感染していたVZVの再活性化に伴って汎発疹を生じ,さらに仙髄後根神経節炎が引き起こされ,尿閉・便秘などの骨盤神経障害と髄膜炎をきたしたと推測した。
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