Japanese
English
症例
遺伝子検査により家族内発症を確認できたHailey-Hailey病の1家系
Genetic Diagnosis in a Family with Hailey-Hailey Disease
神﨑 美玲
1
,
赤坂 英二郎
2
,
中野 創
2
,
澤村 大輔
2
Mirei KANZAKI
1
,
Eijiro AKASAKA
2
,
Hajime NAKANO
2
,
Daisuke SAWAMURA
2
1水戸済生会総合病院,皮膚科,主任部長
2弘前大学大学院医学研究科,皮膚科学講座(主任:澤村大輔教授)
キーワード:
Hailey-Hailey病
,
遺伝子検査
,
ATP2C1遺伝子
,
家族内発症
Keyword:
Hailey-Hailey病
,
遺伝子検査
,
ATP2C1遺伝子
,
家族内発症
pp.1254-1258
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000877
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発端者は67歳,女性。30歳代後半から間擦部位に紅斑が出没するようになり,患者は,皮疹が夏季に増悪することを自覚していた。2カ月前より頸部,腋窩および鼠径部に紅斑と小水疱が出現し,次第に増悪してびらんとなった。病理組織学的には,表皮内に裂隙がみられ,棘融解をきたしていた。ATP2C1遺伝子に既知のナンセンス変異をヘテロ接合体で同定し,Hailey-Hailey病と診断した。皮疹は,ステロイド外用により色素沈着を残して改善した。血縁者に皮疹を自覚する者はいなかったが,診察すると,姉,長女および次男は間擦部位に淡い紅斑を示していた。この3名は,ATP2C1遺伝子に発端者と同一の変異を有しており,遺伝子検査により家族内発症を確認できた。
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