Japanese
English
症例報告
肛囲に限局して発症したHailey-Hailey病の1例
A case of Hailey-Hailey disease localized in the perianal region
小林 麻友子
1
,
志水 陽介
1
,
伊藤 崇
1
,
中村 元泰
1
,
石河 晃
1
Mayuko KOBAYASHI
1
,
Yosuke SHIMIZU
1
,
Takashi ITO
1
,
Motoyasu NAKAMURA
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
Hailey-Hailey病
,
棘融解細胞
,
肛囲
Keyword:
Hailey-Hailey病
,
棘融解細胞
,
肛囲
pp.125-129
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206267
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要約 52歳,女性.10年前より肛門周囲に瘙痒を伴う皮疹の出現を自覚していた.近医での外用治療で皮疹は軽快と増悪を繰り返しており,数か月前より瘙痒感が増悪してきたため当科を受診した.初診時,肛門周囲にクルミ大の一部浸軟し亀裂を伴う淡紅色斑を認めた.その他の間擦部に皮疹はみられなかった.病変部の病理組織像は基底層上層に裂隙があり,表皮内にdilapidated brick wallを呈する棘融解像を認め,Hailey-Hailey病と診断した.本症の皮疹は間擦部に多発することが多いが,肛囲に限局する症例は稀であり,その場合診断が困難である.自験例では毎日自転車に乗る習慣があり,物理的な刺激が多かったことが悪化の要因とも考えられた.ステロイド外用治療と並行して生活指導も行い皮疹はいったん落ち着いた.外用治療抵抗性で,肛囲に亀裂とその周囲に白色浸軟を伴う紅斑を見た場合,本症も鑑別に精査すべきであると考えた.
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