Japanese
English
症例報告
3世代にわたるHailey-Hailey病
Hailey-Hailey disease over three generations
森本 悠里江
1
,
藤井 恒至
1
,
下山 奈穂
1
,
堀内 義仁
1
Yurie MORIMOTO
1
,
Hisashi FUJII
1
,
Nao SHIMOYAMA
1
,
Yoshihito HORIUCHI
1
1国際医療福祉大学熱海病院皮膚科
1Divison of Dermatology, International University of Health and Welfare Atami Hospital, Atami, Japan
キーワード:
Hailey-Hailey病
,
ATP2C1遺伝子
,
遺伝学的検査
,
3世代
Keyword:
Hailey-Hailey病
,
ATP2C1遺伝子
,
遺伝学的検査
,
3世代
pp.651-656
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207374
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要約 症例1:23歳,男性.3か月前から陰股部に瘙痒を伴う紅斑が出現.病理組織学的には表皮内の裂隙と棘融解を認めHailey-Hailey病と診断した.約20年前に症例1の父,約8年前に祖母も臨床症状,病理組織よりHailey-Hailey病と診断されていた.この3名の末梢血DNAを用いて遺伝学的検査を施行したところ,3名ともATP2C1遺伝子に既知のミスセンス変異をヘテロ接合体で同定した.過去の研究では,Hailey-Hailey病において遺伝子型と表現型の明らかな相関はなく,臨床的特徴を左右するのは未知の修飾遺伝子や環境因子であるとされており,自験例でも3例ともに,臨床症状や経過,重症度はそれぞれ異なっていた.自験例において臨床の重症度を反映し悪化因子となったものは,遺伝子型ではなく肥満による摩擦や夏季の発汗などと考えられ,遺伝子型と表現型の相関は明らかではない.未知の修飾遺伝子や環境因子の解明のためさらなる病態の解明が望まれる.
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