症例
ブシラミンとサラゾスルファピリジン内服中の関節リウマチ患者に生じたカポジ肉腫の1例
勝野 正子
1
,
野崎 由生
1
,
水野 尚
1
,
長谷川 章雄
2
,
高橋 健太
3
,
福本 瞳
3
,
戸澤 孝之
4
1小田原市立病院,皮膚科(主任:水野尚部長)
2同,病理診断・臨床検査科
3国立感染症研究所,感染病理部
4戸沢皮膚科医院,院長,小田原市
キーワード:
医原性カポジ肉腫
,
関節リウマチ
,
ブシラミン
,
サラゾスルファピリジン
,
生物学的製剤
Keyword:
医原性カポジ肉腫
,
関節リウマチ
,
ブシラミン
,
サラゾスルファピリジン
,
生物学的製剤
pp.1587-1590
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000211
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73歳,男性。1年半前から生じた左足底,両手掌,手指の多発する紫紅色の浸潤性局面で当科を紹介受診。関節リウマチで約2年前よりブシラミンとサラゾスルファピリジンを内服中であった。病理組織学的所見と,組織および血中にhuman herpesvirus(HHV)‒8が証明され,HIVは陰性であったことより医原性カポジ肉腫と診断した。カポジ肉腫は日和見悪性腫瘍で,HHV‒8が深く関与している。関節リウマチ患者でブシラミンとサラゾスルファピリジン内服中にカポジ肉腫を生じた例はこれまでなかったが,生物学的製剤投与中に生じた例が報告されている。高リスクの患者には,慎重な投与が必要で,診察時カポジ肉腫の可能性を念頭に置く必要があると思われた。
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