Japanese
English
症例報告
ブシラミンによる薬剤性落葉状天疱瘡の1例
A case of bucillamine-induced pemphigus foliaceus
大久保 恵美子
1
,
檜垣 祐子
1
,
川島 眞
1
,
橋本 隆
2
Emiko OHKUBO
1
,
Yuko HIGAKI
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
,
Takashi HASHIMOTO
2
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2久留米大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical College
2Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine
キーワード:
ブシラミン
,
薬剤性落葉状天疱瘡
,
免疫プロット法
,
成人Still病
Keyword:
ブシラミン
,
薬剤性落葉状天疱瘡
,
免疫プロット法
,
成人Still病
pp.733-736
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902632
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
26歳,女性,成人Still病に対するプレドニゾロン内服療法中に,原病の悪化がみられたため,ブシラミン100mg/日を併用したところ,開始4か月後より顔面,躯幹に落屑,痂皮を付着する紅斑,水疱,びらんが出現した.病理組織学的に穎粒層直下の棘融解性裂隙を認め,蛍光抗体直接法では表皮細胞間にIgG,IgA,C3の沈着をみた.血清抗表皮細胞間抗体は80倍と陽性で,免疫プロット法で患者血清は落葉状天疱瘡抗原に弱く反応した.ブシラミンの内服中止とステロイド剤の外用のみでプレドニゾロンの増量なしに,3週間で皮疹は略治し,血清抗体価も低下した.薬剤中止により短期間に軽快し再発がないことから,ブシラミンによる薬剤性落葉状天疱瘡と診断した.ブシラミンによる薬剤性水疱症は自験例を含め8例報告されている.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.