症例
皮膚に限局し,自然消退したLangerhans Cell Histiocytosisの1例
倉田 裕介
1
,
沖田 朋子
1
,
根本 圭
2
,
中村 好貴
1
1山口大学大学院医学系研究科,皮膚科学分野(主任:下村裕教授)
2ねもと皮ふ科クリニック,院長,山陽小野田市
キーワード:
Langerhans cell histiocytosis
,
Langerhans細胞組織球症
Keyword:
Langerhans cell histiocytosis
,
Langerhans細胞組織球症
pp.1591-1594
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000212
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
9カ月,男児。生後5カ月頃より,顔面に粟粒大から爪甲大の紅色丘疹が出現した。病理組織学的所見は,真皮全体にびまん性に細胞浸潤を認め,コーヒー豆様のくびれた核をもつ大型の組織球様細胞が占めていた。免疫組織化学染色では,浸潤する細胞はCD1a,S‒100蛋白に陽性であった。さらに電子顕微鏡でBirbeck顆粒を認めたためLangerhans cell histiocytosisと診断した。全身検索では他臓器への浸潤はなく,1歳5カ月で自然消退した。4年経過した現在,皮疹の再燃はなく他臓器浸潤も認めていない。しかし再燃をきたすとの報告があり,長期にわたり注意深い経過観察が必要と考えられる。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.