症例
観血整復を要したGaleazzi equivalent lesionの2例
山本 宏幸
1
,
赤羽 努
,
村上 博則
,
塩澤 律
1国立病院機構信州上田医療センター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
ギプス包帯
,
内固定法
,
骨端すべり症
,
骨ワイヤー
,
手関節
,
スポーツ障害
,
X線CT
,
日常生活活動
,
脱臼骨折
,
Galeazzi骨折
Keyword:
Activities of Daily Living
,
Fracture Dislocation
,
Athletic Injuries
,
Bone Wires
,
Casts, Surgical
,
Fracture Fixation, Internal
,
Epiphyses, Slipped
,
Radiography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Wrist Joint
,
Range of Motion, Articular
pp.347-351
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2016278436
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1:12歳男児。自転車走行中に転倒し、受傷した。左手関節部が腫脹し、その尺側部において骨性突出による背側凸変形を認めた。画像所見では、橈骨遠位に骨折を認め、背側凸変形を呈していた。尺骨は遠位でSalter-Harris(S-H)2型の骨端線離開を呈し、尺骨中枢骨片は背側に転位していた。また、尺骨骨片間の尺側に腱成分と思われる陰影を認めた。全身麻酔下での徒手整復を試みたが、弾性の抵抗があり出来なかった。骨折部を展開したところ、尺側手根伸筋が尺骨中枢骨片の尺側から掌側に回り込み、骨片間に介在していた。介在を取り除き、手部を末梢へ牽引しながら、エレバトリウムを用い、梃子の原理で整復し、鋼線固定を追加した。上腕より手指MP関節までギプス固定とした。術後は経過良好で、術後3週で鋼線を除去し、骨癒合は術後4週で得られ、可動域制限は認めなかった。症例2:14歳男児。スケートボード中に転倒し、受傷した。単純X線像にて、屈曲型偏位の橈骨遠位部骨折を呈し、尺骨骨端損傷はS-H2型であった。全身麻酔下で徒手整復を試みるも整復されず、観血的整復を行った。尺骨は骨膜を縦切開することで整復位を得たが、腱の介在はなかった。術後は経過良好で、術後6ヵ月で骨癒合が得られ、可動域制限も認めなかった。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.