発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005154769
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尺骨頭骨折に対して観血的整復内固定を施行した3症例(全例男性,年齢17~35歳・平均24歳)の治療成績について検討した.合併症は橈骨遠位端骨折を1例に認め,尺骨頭骨折を骨片の部位で分けると掌側1例・背側2例であった.手術では内固定はHerbertスクリュー2例・Kirschner鋼線1例,術後外固定は上腕ギプス1例・前腕ギプス2例で,後療法は術後2週より手関節と前腕の自動関節可動域(ROM)訓練を開始した.その結果,経過観察期間は3~24ヵ月・平均13ヵ月にて全例に労作時の軽い疼痛を認めたが,最終調査時のROMは手関節掌屈平均63°(50~80°),背屈平均73°(60~85°),前腕回内平均70°(65~80°),回外平均80°(70~90°)で,握力は対健側比62~95%であった.日本手の外科学会手関節機能評価では全例excellentであった.診断において手関節CTや手根骨を消去した3D-CTが遠位橈尺関節を形成する尺骨頭と尺骨切痕を容易に確認でき非常に有用であった
©Nankodo Co., Ltd., 2005