発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008146466
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尺骨鉤状突起骨折における骨片の大きさと靱帯損傷との関連性について検討した。対象は1996年4月~2007年8月までに観血的手術を行った鉤状突起骨折を合併した肘関節脱臼骨折5例と肘関節周囲骨折3例の計8例(男性4例、女性4例、平均年齢42歳)で、Regan分類はtype II6例(鉤状突起の高さに対する骨片の比率は平均30%)、type III2例(同平均74%)、経過観察期間は平均19ヵ月であった。1)手術方法は引き抜き鋼線締結法(プルアウト)2例、C-Wire2例、Acutrak Screw2例、整復のみ1例、放置1例であった。2)合併する靱帯損傷は内側側副靱帯の後斜走線維3例、外側側副靱帯の橈側側副靱帯1例、尺側側副靱帯4例、損傷なし2例であった。3)骨片の比率と靱帯損傷の数との間にはr=0.77の負の相関が認められた。尚、最終調査時に8例全例で骨癒合の完成が確認された。
©Nankodo Co., Ltd., 2008