発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007261014
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12歳男児。小児Galeazzi類似骨折後の尺骨遠位骨端線早期閉鎖に対して尺骨延長術を施行した1例を経験した。自転車で転倒し右手をついて受傷した。X線で橈骨の遠位約1/4での屈曲型骨折、一部尺骨頭が骨幹端と背側転位したSalter-Harris分類type IVの骨端線損傷のGaleazzi類似骨折を認め、CTでは尺骨頭は粉砕し、掌側骨片と茎状突起は掌側に残っていた。緊急手術で橈骨を掌側よりT plateで内固定し、尺骨頭を観血的に整復してKirschner鋼線等で内固定したが、約4mmのマイナスバリアントとなった。1年後のX線上約15mmのマイナスバリアントとなったが、尺骨頭の形状は良好であり、可動域(ROM)は手関節背屈75°、掌屈65°、前腕回内80°、回外90°と良好で、握力は健側比80%に回復した。成長に伴う手関節変形を考慮し尺骨の仮骨延長術を行い、2mmプラスバリアントまで約16mmを107日間で延長した。受傷後1年8ヵ月、約2mmのマイナスバリアントで経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007