発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013151501
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34歳男。左大腿遠位部痛が出現し、歩行困難となった。単純X線で左大腿骨遠位に骨透瞭像を、CTで同遠位骨髄内に周囲に軽度骨硬化を伴う嚢腫様変化を認め、後方の骨皮質に欠損があった。MRIでは大腿骨遠位後方にT1強調像で低信号、T2強調像で等~高信号の領域を認め、造影後脂肪抑制T1強調像では辺縁部が濃染される膿の貯留と思われる像と後方軟部組織の浮腫性変化があった。大腿骨遠位部骨髄炎(Brodie膿瘍)と診断し、Kwak等の方法に準じて鏡視下に生検およびデブリドマンを行った。病理組織検査で好中球を中心とした炎症細胞浸潤と腐骨の形成を認め、化膿性骨髄炎と診断した。術後、穿刺液の細菌培養でSalmonella O-18が検出されたため、スルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウム配合を投与した。術後約2週で上昇していたCRPは陰性化し、術後3週でドレーンを抜去し、術後4週よりレボフロキサシン水和物を投与した。術後1年6ヵ月の現在、疼痛やROMの制限はなく、歩行に問題はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013