特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[4]-上肢・手・指の骨髄炎ほか-
ネコ咬創によって手指骨髄炎を来たした2例
土居 華子
1
,
大安 剛裕
1長崎大学 医学部形成外科
キーワード:
Fosfomycin
,
X線診断
,
咬傷と刺傷
,
骨髄炎
,
手指外傷
,
デブリードマン
,
ネコ
,
Sultamicillin
,
人獣共通感染症-細菌性
Keyword:
Bites and Stings
,
Finger Injuries
,
Fosfomycin
,
Bacterial Zoonoses
,
Osteomyelitis
,
Radiography
,
Debridement
,
Cats
,
Sultamicillin
pp.544-550
発行日 2021年5月10日
Published Date 2021/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021227809
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ネコ咬創による手指骨髄炎をきたした2例に対する治療について報告した。症例1は42歳女性(右中指PIP化膿性関節炎、骨髄炎)、症例2は42歳男性(右中指中手骨骨髄炎)で、両例とも初診時の皮膚切開による直視下の創部確認、単純X線で骨髄炎と診断できず、初診から10日~2週後の単純X線で診断した。また、細菌培養よりPasteurella multocidaを検出した。骨掻爬、壊死部分や感染組織のデブリードマンを行った後、症例1は自作の持続洗浄装置でPIP関節内と骨掻爬部位を洗浄し、症例2はペンローズドレーンを留置しホスホマイシンカルシウム静注を行った。2例共に骨髄炎の再発はないが、関節可動域制限は残存している。当初、症例2はネコ咬創後蜂窩織炎と診断したが、臨床症状や血液検査で蜂窩織炎と骨髄炎の鑑別は困難で、単純X線やMRIなどの画像検査が有用であった。
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