発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013151500
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55歳女。5ヵ月前に約5kgの米を持ち上げて腰痛が出現し、前医でL3-L4圧迫骨折の診断のもと2ヵ月間の保存的治療を受けた。保存的治療の開始時は歩行可能であったが、腰痛の悪化に伴う歩行障害で入院した際、L3-L4圧迫骨折に加え、初めて両側大腿骨頸部骨折および胸水貯留と診断された。PETなどによる精査が行われたが、胸水貯留と骨折の原因は不明で、徐々に疼痛による食欲不振で体重が減少し、全身状態の悪化、宗教上の理由(輸血拒否など)から当院紹介となった。DXA法でBMD値0.83g/cm2、YAM値76%が判明し、全身精査で腫瘍性病変は否定されたため、原発性骨粗鬆症による両側同時大腿骨頸部骨折と診断した。両側同日セメント人工骨頭挿入術を行ったところ、術後1週で胸水貯留は消失し、術後10ヵ月の現在、安定した杖歩行が得られ、受傷前と同様の活動性を獲得できている。
©Nankodo Co., Ltd., 2013