発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015156550
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35歳女。年に3回程度の嘔気と水様便をきたすエピソードを繰り返した。右臀部および大腿後面の疼痛が出現し、腰椎椎間板ヘルニアの疑いで入院となった。硬膜外ブロックにて疼痛はやや軽減した。37.8℃の発熱および低酸素血症を認めた。発熱、頻脈、頻呼吸、白血球数増加などがあり、全身性炎症反応症候群(SIRS)と考えられ、PCTも高値であることから細菌感染による敗血症と判断した。呼吸不全の原因については敗血症に伴うARDSと診断した。抗菌薬を投与したが肝胆道系酵素上昇も改善なく、呼吸状態の改善は得られなかった。人工呼吸管理を開始した。血液培養・尿培養・便培養のすべてから非チフス性サルモネラ菌を検出し、抗菌薬をレボフロキサシンに変更した。その後解熱し、炎症反応および呼吸状態が改善した。右臀部や右大腿の疼痛は、サルモネラ菌血症に伴う仙腸関節炎と診断した。第30病日に退院した。
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