発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006197899
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症例1:65歳女.6~7年前より左下垂足があり,下肢筋力・温痛覚低下,Th3周囲の帯状痛を認めた.MRIで脊髄のTh2-Th3レベルでの前方への急峻な変位,脊髄背側くも膜下腔の拡大を認め,ミエロCTでは脊髄がくびれて横H型に硬膜外のヘルニア孔に嵌頓している像を認めた.手術所見で脊髄は陥凹硬膜部に癒着しており,剥離していくと前方硬膜部に欠損孔を認めた.欠損孔の外側にも硬膜組織を認め,二重硬膜を呈していた.二重硬膜部の内側硬膜を頭尾側方向にそれぞれ5mm程度切除し,再嵌頓を防止した.硬膜を縫合し,反転した椎弓を切開して開き,菅笠状にして残存椎弓およびTh4棘突起に縫着し,椎弓形成した.術後症状は軽快し,1年経過して再嵌頓はない.症例2:39歳女.左下肢脱力が出現し,MRIでTh3-Th4の脊髄前方のくも膜下腔消失を認めた.手術所見で脊髄に癒着はなく,硬膜前面に欠損孔があり,二重硬膜を呈していた.症例1と同様に手術を行い,術後1年で再嵌頓はない
©Nankodo Co., Ltd., 2006