発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007184476
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症例1(59歳男)、症例2(54歳男)、いずれも歩行障害を主訴とした。頸胸椎後縦靱帯骨化症(OPLL)と胸椎黄色靱帯骨化症(OYL)による四肢痙性不全麻痺、痙性歩行に対し、脊椎手術が施行された。術後、痙性麻痺は軽快したが、症例1では頸胸椎靱帯骨化病変の増大、両下肢の痙性麻痺、歩行障害、両手指の巧緻機能障害が出現したため再手術を受け、その後下肢痙性麻痺の悪化、起立歩行困難となった。症例2では術後経過は安定していたが、転倒後に下肢筋力低下、起立歩行困難を認めた。入院時、症例1のCTおよびMRIにてTh7/Th8に前縦靱帯骨化の不連続部、椎間板変性および椎間関節の退行性変化による骨棘形成、Th8でのOYLによる脊髄圧迫を認めた。症例2のX線およびMRIではTh5の圧迫骨折および全縦靱帯骨化病変の不連続部、Th5での局所後彎、Th4~Th7でのOPLLによる脊髄圧迫を認めた。いずれも胸髄症と診断し、後方進入脊髄前方除圧固定術を行った。術後、症例1では下肢筋力は回復したが痙性歩行が残存したため、屋外では車椅子の状態であった。症例2では間欠歩行が消失した。
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