発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006197898
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76歳男.頸部痛,両手指のしびれの後,両手指巧緻運動障害を自覚した.神経学的所見でC7以下のtransverse typeの頸髄症に両側C8の神経根症を合併していると判断した.また,全身所見では心房細動による浮腫を認めた.X線で局所後彎角が前屈位33°,後屈位19°と不安定性を認めた.MRI矢状断像ではC6/7椎間板腔はほぼ消失し,C6-C7椎体は一塊となり後方凸に角状変形し,脊柱管内に突出していた.椎体はT1強調像で等信号,T2強調像でまだら状の信号強度を呈し,変形椎体が硬膜管を前方より圧迫していた.塩酸セフォチアムの静脈投与で心不全が軽快した後に手術を施行した.後方よりC5~C7脊柱管拡大術を行った後,前方より脊柱管内に突出しているC6-C7椎体を慎重に掻爬し,C5~Th1前方固定術を施行した.術後3ヵ月のCTで脊柱管内嵌入骨片は消失し,脊柱管の拡大および矯正は良好で,骨癒合は完成していた.術後5ヵ月では独歩可能であり,JOAスコアは術前11点から14点となった
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