発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003308696
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54歳男.30歳ごろから左下肢の突っ張り感,階段の降りにくさを自覚していたが,その後右下肢の知覚鈍麻が出現し症状が次第に増強した.いくつかの病院で腰椎分離症と診断されていたが,54歳時に歩行困難が増強し繰り返し転倒するようになったことを契機にMRI及びミエロCTにて脊髄ヘルニアの診断が得られた.Brown-Sequard syndromeのタイプの麻痺が認められ,Th8/Th9レベルにおける脊髄ヘルニアが考えられた.手術は後方進入でTh7-Th9の棘突起を含めた右片側椎弓及び椎間関節切除を行った.温存した左側椎弓・椎間関節に局所切除骨を移植し,片側後方固定した.術後のMRIでは術前の脊髄の腹側偏位は消失し,ミエロCTでは脊髄の変形と右腹側への偏位は改善していた.術後5日から歩行を許可し,術後早期から左下肢の突っ張り感は消失した.術後10ヵ月で歩行障害は著明に改善し右下肢の知覚障害も改善がみられ経過良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2003