発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004301333
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症例1:74歳男.主訴は間欠跛行,歩行困難,排尿障害,両手のぎこちなさ.MRI所見,脊髄造影・ミエロCT所見にて上肢巧緻障害と上肢腱反射異常から頸部脊髄症が示唆され,50mの間欠跛行と両アキレス腱反射消失,脊髄造影でのL4/L5での完全ブロックからは腰部脊柱管狭窄が明らかと思われた.頸椎は椎弓形成術,胸・腰椎はTh8~Th11,L3~L5レベルで各々椎弓切除術を行った.術後合併症もなく1週で離床し,上肢の巧緻障害も改善を認めた.症例2:72歳女.主訴は上肢のしびれ,排尿障害,歩行困難.MRI所見,脊髄造影・ミエロCT所見にて,上肢のしびれと腱反射異常から頸部脊髄症は明らかと思われた.左アキレス腱反射のみ亢進し,他の下肢反射消失という所見は単純な胸椎および腰椎の横断性病変からは説明困難であったが,50mの間欠跛行と画像上の圧迫所見が高度であることから,症状への関与の可能性が高いと判断した.頸部は椎弓形成術,胸腰部はTh10/Th11,L1/L2,L2/L3レベルを各々椎弓切除した.術後合併症もなく6日より離床し,上肢のしびれも改善した
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