臨床室
環椎後弓切除後に前弓骨折を生じた1例
岡本 公一
1
,
増田 佳亮
,
重松 英樹
,
岩田 栄一朗
,
奥田 哲教
,
田中 康仁
1高の原中央病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
環椎
,
偽関節
,
MRI
,
術後合併症
,
脊椎骨折
,
X線CT
,
椎弓切除術
,
頸椎症性脊髄症
,
椎弓形成術
,
頸椎装具
Keyword:
Cervical Atlas
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Laminectomy
,
Radiography
,
Pseudarthrosis
,
Postoperative Complications
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Spinal Fractures
,
Laminoplasty
pp.630-633
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017388796
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80歳男性。四肢のしびれ、筋力低下を主訴に紹介となった。初診時、頸椎X線やCTM、MRI所見より、環椎部の狭窄と下位頸椎部の狭窄による頸髄症と診断され、C1椎弓切除およびC3~C7の両開き式椎弓形成術を施行した。術後早期より症状は改善したが、術後3ヵ月のCTにて環椎前弓の骨折を認め、骨折部には6mmのギャップがみられた。頸椎前屈位のADIは開大していたがC1/C2の不安定性はなく、頸部痛も軽度で改善傾向にあったため、頸椎カラー固定のみで対処した。術後2年経過で頸部痛は認めず、頸髄症状もみられなかった。頸椎X線ではC1/C2に不安定性は認めなかったが、CTでは骨折部は偽関節となっていた。
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