発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004231719
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50歳女.34歳時に右下肢筋力低下と左下肢感覚低下を自覚した.その後,次第に増悪を認めたが,原因が特定されなかったため無治療であった.初診時両下肢の痙性麻痺,深部腱反射亢進,右有意に大腿~下腿に軽度筋萎縮,心窩部以下温痛覚・触覚の低下,膀胱直腸障害を認めた.MRI,ミエロCTでTh4~Th5の脊髄の前方偏位と脊髄背側のくも膜下拡大を認め,他の異常所見がなかったので脊髄ヘルニアと診断し,手術を施行した.脊髄背側,腹側ともに硬膜は二層に分かれていた.二重硬膜に併発した脊髄ヘルニアであった.内層硬膜を切除し脊髄の直径より大きくヘルニア孔を拡大すると,脊髄の嵌頓は容易に解除された.術後1年6ヵ月,症状の改善はみられていないが,神経症状の増悪はない
©Nankodo Co., Ltd., 2004