臨床室
神経根症を呈した頸椎前縦靱帯骨化症の1例
熊木 慎吾
1
,
桂川 陽三
,
宮本 恵成
,
齊藤 貴志
,
山本 敬之
,
中嶋 香児
1国立国際医療研究センター病院 整形外科
キーワード:
頸椎
,
MRI
,
神経根症
,
脊柱管狭窄
,
X線CT
,
椎弓切除術
,
前縦靱帯骨化症
,
椎弓形成術
,
椎間孔拡大術
Keyword:
Cervical Vertebrae
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Laminectomy
,
Radiculopathy
,
Spinal Stenosis
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Foraminotomy
,
Laminoplasty
pp.420-422
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017275233
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66歳男。64歳時より左上肢痛、しびれを自覚し頸椎症の診断で保存的治療を受けていた。左上腕外側~前腕橈側に痛みと自発性異常感覚があり、Spurlingテストは陽性であった。左上腕二頭筋の筋力低下があったが、右上肢と両下肢に筋力低下はなかった。単純X線では前縦靱帯(ALL)が広範に骨化しており、CTで同様にALLを中心に骨化がみられ、C5/C6左椎間孔狭窄が認められた。MRIではC2/C3、C3/C4の脊柱管狭窄が認められた。以上より、C5/C6左椎間孔狭窄に伴う左C6神経根症およびOPLLによる頸部脊柱管狭窄症と診断し、頸椎椎弓切除術、頸椎椎弓形成術、椎間孔拡大術を行った。術後左上肢の筋力に大きな改善はなかったが、左上肢痛は著明な改善が認められた。
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