発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006197900
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13歳女.出生直後より全身の筋緊張低下を認め,処女歩行は3歳6ヵ月と遅延し,小児科で経過観察されていた.12歳時に脊柱変形に気付き,短期間で有意に進行したため入院となった.筋力は上下肢全体に軽度低下を認め,四肢温痛覚・振動覚は低下し,Romberg徴候陽性であった.歩行は明らかな動揺性を認め,立位で肩の左右高低差,前屈で右肩甲骨の突出,左下部肋骨隆起を認めた.立位単純X線でTh10を頂椎とする左胸椎側彎を認め,Th6~L2のCobb角は46°と5ヵ月間で6°進行していた.麻痺性側彎であり,急速に進行していること,growth spurtの時期が残されていることより手術治療を選択し,Th4~L1間の後方矯正固定術を行った.上位胸椎にはフックを使用し,中下位胸椎にはペディクルスクリューと椎弓下ワイヤーを組み合わせて固定した.術後Cobb角は19°となり,体幹変形,肩甲骨突出,肋骨隆起,歩容も改善した.術後1年6ヵ月で疼痛,矯正損失はない
©Nankodo Co., Ltd., 2006