発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017114819
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61歳男。上腹部不快感を主訴とし、当院消化器内科での上部消化管内視鏡検査にて胃前庭部の2型腫瘍を指摘され、閉塞症状も出現したため当科紹介となった。腫瘍からの組織生検で低分化腺癌の診断を得て、腹部造影CTでは前庭部大彎側にリンパ節の腫大も認めた。胃低分化腺癌(cT4bN1M0 stage IIIC)と診断し、幽門側胃切除術+D2リンパ節郭清を施行した。手術所見で腫瘍の肝浸潤、腹膜播種結節は認めず、術中迅速腹水細胞診検査は陰性であった。切除標本所見で胃前庭部大彎を中心に2型腫瘍病変を認め、病変部近くのリンパ節は著明に肥大しており、胃壁との境界は不明瞭であった。病理診断は胃大細胞型内分泌癌、pT4a(SE)、int、INFb、ly1、v2、pPM0、pDM0、pN0、stage IIBであった。術後S-1による補助化学療法を導入し、4ヵ月経過時点で無再発生存中である。
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