発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017114818
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77歳男。近医にて胃前庭部大彎に2型腫瘍を認め、生検で低分化腺癌と診断され当院紹介受診となった。造影CTでは胃前庭部に壁肥厚を認め、腫瘍が疑われた。また、胆嚢結石も認めた。幽門前庭部の進行胃癌、胆嚢結石症と診断し、幽門側胃切除術+D2郭清を施行し、Billroth-I法で再建した。胆嚢結石症に対しては胆嚢摘出術を施行した。病理組織学的には低分化型から中分化型を呈する腺癌があり、粘膜下層深層まで浸潤していた。癌細胞巣周囲には著明なリンパ球浸潤を認めた。リンパ節転移はなく、Epstein-Barr virus-encoded RNAs陽性であった。術後膵炎等を合併したものの保存的に改善し、術後7ヵ月経過時点で再発は認めていない。
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