発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007290064
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
過去10年間に開腹手術を施行した腸管原発悪性リンパ腫(ML)11症例と、胃原発ML 8症例を比較し、生物学的特徴について検討した。対象例が少ないためか、両者間に年齢・性別に差はなかった。胃原発では8例が腹部不快感、腹痛、膨満感、嘔吐を主訴とした。腸原発でも7例が腹痛等の腹部症状を主訴とし、下血・粘血便が3例であった。占拠部位は、胃では前庭部5例、体部3例で、小腸では空腸2例、回腸3例、盲腸3例、上行結腸2例、直腸1例と回盲部に多かった。最大径、肉眼的形態に差はなかった。病理組織型はともにdiffuse large B-cell lymphoma(DLBCL)が多く、大きな違いはなかった。しかし、腸MLは深達度mp以深例が多く、リンパ節転移個数も多かった。また、T細胞の2例では広範囲にリンパ節転移があった。腸MLではDLBCLの2例とT-cell lymphomaの1例が、胃MLではDLBCLの1例が死亡したが、そのうち3例は原発巣切除不能例であった。
![](/cover/first?img=J00393.2007290064.png)
©Nankodo Co., Ltd., 2007