発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017028502
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88歳男。直腸癌切除術後に再発を繰り返し、腹壁瘢痕ヘルニアも併発した。初回術後約5年の再発巣切除時に腹腔内留置型メッシュ(CKP)を用いたヘルニア修復術を同時施行し、以後外来にて厳重に経過観察していたが、術後約5年に正中創からの膿汁排液を認めた。腹部造影CT・瘻孔造影検査所見より、メッシュ関与による小腸損傷および小腸皮膚瘻と診断して手術を施行した。手術所見でCKPは複雑に屈曲し、小腸が辺縁に強固に癒着し穿通していた。CKPを分断・除去し、穿孔部を含めた小腸を2ヶ所切除して、腹腔内洗浄後に閉鎖式ドレーンを留置した。術後軽度の創部感染を併発したものの保存的に治癒し、術後36日目に退院した。現在、瘢痕ヘルニアは認めるものの腹痛等はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2016