発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012360643
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複合メッシュを用いて修復した腹壁瘢痕ヘルニア手術症例43例を対象に、術後の漿液腫について検討した。漿液腫は18例に発生し、9例は経過観察で軽快した。穿刺吸引を5例に、感染発生によるパッチ摘出を2例に、疼痛によるパッチ摘出を1例に施行し、1例はドレナージを必要とした。漿液腫を生じた群と生じなかった群を比較すると、平均年齢、BMI、ヘルニア出現から手術までの日数、平均手術時間、ヘルニア門周囲の癒着剥離を要した割合、ヘルニア門の大きさは両群に差はなかった。CTでヘルニア門近傍の皮下脂肪の厚さを計測したところ、漿液腫を生じた群で皮下脂肪が厚かった。全例で手術は腹腔内留置法で行い、複合メッシュ留置後、13例に皮下ドレーンを挿入した。漿液腫発生率は挿入群が15.4%、非挿入群が53.3%であった。平均ドレーン留置期間は、漿液腫が発生しなかった群が2.5日、発生した群が3.0日であった。皮下ドレーンの挿入率は、挿入するパッチのサイズが大きいほど高くなる傾向にあった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012