発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016019437
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84歳女。主訴は右下腹部の膨隆・膿汁分泌であった。11年前に腹腔鏡補助下右半結腸切除+D2郭清術後、小切開をおいた右側腹部に腹壁瘢痕ヘルニアを認め、人工メッシュを用いたヘルニア修復術を施行した。7年前より同部位に瘻孔形成を認め、経過観察していた。膿汁培養より大腸菌、G群β-Streptococcus、Peptostreptococcus asaccharolyticusが検出された。腹部造影CTでは右側腹部の腹壁欠損部の小腸脱出を認め、瘻孔造影後の単純CTで腸管内への造影剤漏出は認めなかった。手術により感染メッシュを除去し、7×10cm大の腹壁欠損部に左大腿筋膜張筋を移植した。術後cefmetazoleを4日間使用し、14ヵ月経過現在、ヘルニア再発や感染徴候は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015