発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017135891
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80歳代男。腹部正中創下端の発赤、熱感、腫脹を主訴とした。13年前に腹壁瘢痕ヘルニアに対して腹膜前メッシュ留置によるヘルニア修復術を受けており、エコー、CTにて腹壁膿瘍と診断し局所麻酔下に切開排膿を行ったが、数日後に再燃した。CT所見では腹壁皮下膿瘍部分に小腸皮膚瘻孔を認め、メッシュ感染を伴う小腸穿孔と診断してメッシュおよび腸管皮膚瘻切除を行った。肉眼的にメッシュは腹膜前腔に平坦に伸展されていたが、切除標本では瘻孔小腸部に約5mm高の突出変形を認め、メッシュの凹凸不整部が刺激となって炎症を引き起こしたと考えられた。術後は創感染なく治癒し、現在までヘルニア再発を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2017