発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015022596
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63歳女。嘔気・嘔吐を主訴とした。発症から18時間以上経過していたが腹膜刺激症状は認めず、左上腹部に限局する圧痛を認めた。腹部単純X線では左上腹部に拡張した小腸ガス像を認め、腹部造影CTでは左上腹部に造影効果が減弱し、索状物によりclosed loopを形成した小腸の狭窄像を認めた。絞扼性イレウスの診断でイレウス管にて2時間腸液を流出後、単孔式腹腔鏡補助下イレウス解除術を施行した。小腸は、大網と下行結腸腹膜垂の間に形成された索状物にループ状に嵌入し絞扼され、不可逆性の粘膜壊死・遅発性の小腸狭窄の可能性があるため切除した。病理組織学的には浮腫・出血・うっ血・一部粘膜壊死を認めたが、悪性所見は認めなかった。術後1日目にイレウスチューブを抜去し、2日目に飲水・3日目に食事を開始し、10日目に退院した。腹部の整容性は良好に保たれていた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014