発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017032242
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
85歳男。腹痛を主訴とした。メッシュを用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術の既往があったが、外来フォローを自己中断していた。腹部造影CTでは小腸の拡張および右側腹部に口径変化を認める小腸がみられ、腹腔内には遊離ガス像を認めた。腸閉塞による消化管穿孔を疑い、メッシュが挿入されていない腹壁から腹腔鏡を挿入したが、消化管穿孔や腹膜炎の所見は認めなかった。右側腹部には限局して暗赤色に変化した小腸と小腸の口径変化を認め、絞扼性イレウスと診断した。絞扼された腸管直上の腹壁を小切開し、直視下に索状物を切離すると、すみやかに腸管の色調が回復したため腸管切除は行わず、ダグラス窩と左右傍結腸溝にドレーンを1本ずつ留置した。第2病日より経口摂取を開始し、ドレーン排液性状に異常は認めず、第11病日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016