発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015022597
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54歳男。右下腹部に強い圧痛を認め、腹部CTでは回盲部周囲の脂肪織濃度の上昇と腫大した虫垂と思われる索状物を認め、急性虫垂炎による腹膜炎の診断で、腰椎麻酔下に緊急開腹手術を施行し腫大した虫垂を摘出した。切除虫垂の大きさは長径40mmで虫垂先端に穿孔を認めた。病理組織学的に壊疽性虫垂炎であり、虫垂の基部には索状・蜂巣状の杯細胞を認めた。一部固有筋層は漿膜下に浸潤し脈管浸潤を認めた。免疫組織学的にはクロモグラニンA、シナプトフィジン、CEA、CK20、CK7が陽性であり、虫垂杯細胞カルチノイドと診断した。術後経過は良好で8日目に退院したが、脈管侵襲を認めたため、53日目に右結腸切除術を施行した。術後化学療法を施行せず、18ヵ月経過して再発徴候なく外来で経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2014