発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006034903
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30歳女性.患者は初回妊娠,妊娠22週5日で経過順調であったが,心窩部痛の増悪で嘔気,嘔吐を伴い救急外来受診となり,入院となった.入院3日目に炎症反応および心窩部痛のピークを認め,鎮痛薬筋注で腹痛および炎症反応とも軽快し,7日目より経口摂取も開始した.しかし,入院3週より再度心窩部痛が増悪し,排便・排ガスを認めず,X線で完全なイレウス状態を認めイレウス管を挿入したが腹部症状は軽快せず,MRIで著明に拡張した小腸を認め,開腹手術を行った.肝円策より尾側に太さ1cmの索状物が回盲部方向に延び,回腸末端部より20cm口側回腸に癒着し,索状物で形成されたループに小腸が絞扼されていた.索状物を切離し,壊死した回腸を30cm切除したところ,経過良好で術後21日目には退院となった.尚,術中は胎児モニタリングを併用し,妊娠39週4日に自然分娩で女児を出産した
©Nankodo Co., Ltd., 2005