発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003071193
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78歳女.腹痛,嘔気,嘔吐があり,イレウスを疑われ点滴等が行われた.症状が軽快しないため,イレウスの診断で入院となった.イレウス管を留置した.右下腹部痛が増強したために腹部超音波検査を行い,右下腹部に音響陰影を伴う腫瘤を認め腸石を疑った.腸石による腸閉塞の診断で手術を行った.術後経過は良好で,術後29病日に退院した.赤外線吸収スペクトル法による結石の成分分析ではおもに蛋白であり,タンニン,胆汁酸,カルシウム塩などを認めなかった.原因不明の腹腔内の癒着によって回腸が屈曲し,そのための通過障害によって形成された仮性腸石と診断した
©Nankodo Co., Ltd., 2002