発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010200983
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67歳女。下腿骨骨折で入院中に腹痛が出現した。腹部CTで小腸と大腸の拡張を、大腸内視鏡で横行結腸に全周性の2型病変による閉塞を認め、生検結果は高分化型腺癌であった。横行結腸癌による大腸イレウスと考え、経肛門的にロングチューブを留置した。小腸の拡張も強かったため、同時に経鼻的にも留置したところ、ロングチューブの走行では十二指腸水平脚、Treitz靱帯はなく、小腸は腹部右側に偏在していた。Virtual colonoscopyでは横行結腸左側に狭窄像を認め、大腸は左側に偏位し、回盲部が骨盤中央に位置していた。Nonrotation typeの腸回転異常症に合併した横行結腸癌と診断し、開腹術を施行した。中結腸動脈と思われる血管の末梢側に腫瘍が存在し、横行結腸切除、D3郭清を施行し、腸回転異常症に対しては予防的虫垂切除のみ施行した。病理診断はT2型、30×30mm、tub1、SS、N2、H0、P0、M0、Stage IIIbであった。術後合併症はなく、第9病日に退院した。
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